beach storyのお話 story17 島の生活
あれから、数週間は経ち、仕事はだいぶ慣れてきた。
夜のラウンジでは、マネージャーにカクテルのシェイクの
振り方やバースプーンの持ち方、ステアの回し方などを
教えてもらい、カクテル辞典のレシピを見ながら、
南国カクテル特有のオレンジ、パイナップルを飾り付け
ハイビスカスを添えてカクテルを作ったりしてた。
でも、まだ夏休みにも入ってないし梅雨開けた
くらいでお客さんは、あいかわらず少ない。
もともと観光客の少ない島であって、混む時は
ほぼ8月のお盆休みくらいらしい。
仕事はシフト制で、2パターンに分かれていて、朝6時半〜14時の
勤務と11時半から14時までやって間を挟んで17時から22時までの
パターン。俺といっ君はわりと11時半からの仕事が多かった。
レストランの仕事自体は、多少慣れてたのもあるから、そんな苦には
ならないんだけど、午後は男仕事で、外の草むしりとか、重たいものを
運ぶ仕事が毎日大変だった。二人で外で水を掛け合ってふざけながら
なんだかんだ楽しくやっていた。ハイビスカスは、もちろんそこら中に
咲いてるし、見た事ない花もたくさんあっていっ君には
色々教えてもらった。中でも不思議だったのが、花びらが半分しか
咲かない花があって2つを合わせると1つの花になるような、そんな花も
咲いていた。
休憩の時間は、久米島探検にいっ君がいくらでも付き合ってくれたし、
木に登ってヤシの実をとって、サバイバルナイフで穴をあけて、
がぶ飲みしたり、島バナナ🍌っていう、小さなバナナをとって
食べたり、グァバの実も木に生えてるからそのまま丸かじりして、
お互いの人生の話を語り合ったりしてた。
地球上で久米島にしか存在していない久米島蛍がいるスポットも
教えてくれてたし、観光客がまず行く事が無く、久米島観光マップにも
乗らない久米島のいっ君世代が誇る星空スポットも教えてくれた😄
ただ、わりとハブ(毒蛇)がいるから気をつけてなんてよく
言ってたな…当時この島にはハブの血清がなくハブに噛まれちゃったら
本島から自衛隊がヘリ🚁で運んでくるらしい💨
いっ君は「別に噛まれても死ぬほどじゃないから大丈夫だよ」なんて
笑ってたけど、俺は苦笑いだよね…。いっ君が教えてくれたのは
そんなハブに噛まれた時の応急処置ってのが、ハブにかぎらず
毒蛇は基本的に牙が少なく二本の牙の噛み跡があったら、それは
毒蛇だと思っていいらしく、その噛み傷を前後3cmくらいを
ナイフで切っちゃうのがいいんだって。毒を出血の勢いと一緒に
外に出しちゃうのが効果的らしい…😱
俺のつっこみは「それ本当かよ!?原始的過ぎるだろ…」って
言ってもいっ君はそうやって教わったって言うしね…
そんな話を海釣りしながら、夜の晩飯を二人で
getして、たき火をして焼いて食べたり🐠😝
俺にとっては毎日が非現実的で目新しい事ばかりで
とにかく楽しかった👍
ここには、映画館もなければ、カラオケBOXもなく
マクドナルドもなければ、コンビニもない。
この島に朝刊はなく夕方に船便で新聞が送られてくるだけで
海がしけてれば、その日は届かない。
あるのは、ほとんど人のいない真っ白い砂浜に
青く透き通る最高の海が目の前にあるだけ。
今俺は20年の人生の中で最高の贅沢をしてる。
この先、これ以上の贅沢はあるのだろうか。
次回「story18に続く」
前回のお話
世界の路上 久米島にて初めての海釣り(今回のブログ内容の当時の画像です笑)