beach storyのお話 story.25 夏が過ぎて

beach storyのお話 story.25 夏が過ぎて


夏も過ぎて、秋になったけど気温はさほど

変わる事なく日の沈む時間だけが少し早く

なってきた感じ🌞

今までで、一番過ごしやすいかもな!


地元に帰ることを決めた途端

またこの久米島の見え方、感じ方が

変わってきた。正直マジ名残惜しい…

まずはここで一番俺の面倒を見てくれてた

マネージャーに伝えてみる。


俺:「マネージャー!俺、埼玉へ帰ろうと思います。

   急いでいる訳ではないんで、迷惑にならないよう、

   業務に影響が出ない時期に島を出ようと

   考えてますわ。本当迷惑かけたりばっかでしたが、

   ありがとうございます!」


と、突然一方的に言ってみた💦


マネージャー:「本当迷惑ばっかで大変だったよ…。

        今までで一番苦労したさ…。」


滅多に見せない笑い顔で答えてくれた😃


俺:「そんなはっきり言わなくてもよくないすか?😓」


マネージャー:「なら再来月くらいかな…

        2ヶ月後くらいでもいい?」


俺:「もちろんっす!ってまったく止めないんすね💦

   あと少しの間だけよろしくお願いしますわ!」


それからはマネージャーともよく話すように

なったし、一緒に釣りに行く時間も増えたり

釣って来た魚をその場でさばいて食べることも

よくやった。

体調が微妙な時にはマネージャーが育ててる

ハーブの薬草を作ってくれたりもした。


久米島も8月のように多少はいたはずの

観光客もめっきり見なくなったが、

たまに内地の修学旅行生で溢れかえる。

修学旅行で沖縄の離島に来れるなんて

さぞ羨ましい。


久々に見る若い子達にはけっこう感動した。

当然俺も含めやろう共はJKにデレデレ

しちゃいそうだし、一緒に働くのんちゃんや

他の女子スタッフは男子校生のイケメン君に

メロメロ。


島の案内なんかをさらっと口答で言えるように

なっている俺はずいぶんこの島に慣れたんだな。

この島に1年も居ないとはいえ、いっ君とも

さんざん島巡りしたし、今も島の友達と

暇さえあれば、島をぐるぐる回ってた。


新たな初体験の出来事と言えば、9月に入って

間もない頃、久しぶりに久米島に超大型台風が

ずいぶんスローに近づいて来ていた。

沖縄の台風はヤバいで有名だけど、実際に島の人も

久々に味わう超大型台風となると俺も身構える。


どれくらいすごかったって?

正直、恐いんだ。今まで聞いた事のない

風の音。あんなに美しく綺麗で穏やかな海が

大荒れでものすごく色がにごり、はじめて

美しさを感じない海を見た😓

あまりの強風で

島で飼われていた牛が2匹行方不明…

トラックは強風で横転…

電信柱は折れる…

アスファルトがめくれて剥がれる…

島は全島停電…


これってじゅうぶん災害だよな…😱


そして窓ガラスは割れても飛び散らないように

ガラスにガムテープなんかを貼っておく

必要がある。窓ガラスは割れる事を前提に

している所がまたギャップだった…


そしてこの台風がまた変わったやつで

世にも珍しい迷い台風として発生した。

一度通り抜けた台風が引き返してきて、

それが今度は停滞台風に変わり、久米島で

3日間移動する事なく台風が留まっているという…。


一難去ってまた一難とはまさにこの事…


なかなか体験も出来ない珍しい事だから

俺としてはラッキーだったかもしれないけど、

二度と味わいたくないよな💦

台風がいなくなった後の天気は最高だったけど

テラスはもうぐちゃぐちゃ…

でも、島のみんなはそんな気にする事なく自然と

みんなで復興作業を始める。

それもまた楽しいんだ!


そして、世界史上最大にして最悪の

同時多発自爆テロ「9,11」もこの時期だった。

世界に悲しみと怒りも同時に起きたんだよな。


島でしょっちゅう一緒に遊んでた自衛隊達も

収集がかかって厳戒態勢に入っちゃったし。

スパイラルのマスターは切ない顔をしていたな。

俺もそんな感じだった。

「なんでこうなっちゃうんですかね…?

 人生ってなんでしょう?」

俺がマスターに話す口癖になっていた。


「人がなぜ生きるのか、その答え探しが

 人生なんだよ」と。


「過去に振り返らず、未来に恐れず、

 今という瞬間に楽しさを見つけな。

 そこに答えがあるから。男なら男であれ。

 50%でもOKだけど100%の力でな!」


俺宛に直筆で残してくれた手紙の内容だ。


「story26に続く」

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